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2019年01月16日
ブログ

相続法が40年ぶりに変わりました

2016年に相続税が改定され基礎控除額が5,000万円から3,000万円に引き下げられましたが、2018年には相続法が大きく改正され、2019年から順次施行されます。

 

相続法が約40年ぶりに改正されました

相続法は1980年に改正されて以降、これまで大きな改正は行われていませんでしたが、高齢化の進展など社会環境の変化に対応するため、2018年7月に相続法が改正されました。

どのように変わったのかポイントを紹介します。

 

①配偶者居住権を創設

②自筆証書遺言に添付する財産目録の作成がパソコンで可能に

③法務局で自筆証書による遺言書が保管可能に

⓸被相続人の介護や看病で貢献した親族は金銭要求が可能に

⑤自宅の生前贈与が特別受益の対象外になる方策

他にも改正点はありますが、主だった変更内容に上記5点があります。

①「配偶者居住権」の創設

配偶者居住権は、配偶者が相続開始時に被相続人が所有する建物に住んでいた場合に、終身または一定期間、その建物を無償で使用することができる権利です。

 

これまでは配偶者居住権がなかった為、例えば親子2名で2,000万円の自宅と3,000万円の預貯金の5,000万円を相続した場合、法定相続分は2,500万円ずつとなります。

その際、親が居住の為に2,000万円の自宅を相続してしまうと、預貯金は500万円しか受け取ることができなくなってしまい、「住む場所はあるけど、生活費が不足しそう」といった不安が生じてしまっていました。

 

そこで、配偶者居住権を新設することにより、建物についての権利を「負担付きの所有権」と「配偶者居住権」に分け、遺産分割の際などに、配偶者が「配偶者居住権」を取得し、配偶者以外の相続人が「負担付きの所有権」を取得することができるようにしました。

これにより、配偶者は人に売ったり、自由に貸したりすることができない分、不動産の評価額を低く抑えることができ、配偶者はこれまで住んでいた自宅に住み続けながら、預貯金などの他の財産をより多く取得できるようになり、その後の生活の安定を図ることができるようになります。

②自筆証書遺言に添付する財産目録の作成がパソコンで可能に ③法務局で自筆証書による遺言書が保管可能に

この2つは時代に合わせた手続きの簡略化です。

これまで自筆証書遺言は、添付する目録も含め、全文を自書して作成する必要がありました。

その負担を軽減するため、遺言書に添付する相続財産の目録については、パソコンで作成した目録や通帳のコピーなど、自書によらない書面を添付することによって自筆証書遺言を作成することができるようになります。

 

 

また、自筆証書による遺言書は自宅で保管されることが多く、せっかく作成しても紛失したり、捨てられてしまったり、書き換えられたりするおそれがあるなどの問題がありました。

そこで、こうした問題によって相続をめぐる紛争が生じることを防止し、自筆証書遺言をより利用しやすくするため、法務局で自筆証書による遺言書を保管する制度が創設されます。

⓸被相続人の介護や看病で貢献した親族は金銭要求が可能に

これは実務でもよく遭遇した問題点の改正です。

 

相続人ではない親族(例えば、子の配偶者など)が被相続人の介護や看病をするケースがありますが、改正前には、遺産の分配を受けることはできず、不公平であるとの指摘がされていました。
今回の改正でこのような不公平を解消するために、相続人ではない親族も、無償で被相続人の介護や看病に貢献し、被相続人の財産の維持または増加について特別の寄与をした場合には、相続人に対し、金銭の請求をすることができるようになりました。

⑤自宅の生前贈与が特別受益の対象外になる方策

結婚期間が20年以上の夫婦間で、配偶者に対して自宅の遺贈または贈与がされた場合には、原則として、遺産分割における計算上、遺産の先渡し(特別受益)がされたものとして取り扱わないこととしました。

 

これまでは、例えば生前に夫婦間で2,000万円の自宅を贈与した場合、相続時に相続財産として計算に含まれることになっていました。


つまり、改正前には、被相続人が生前、配偶者に対して自宅の贈与をした場合でも、その自宅は遺産の先渡しがされたものとして取り扱われ、配偶者が遺産分割において受け取ることができる財産の総額がその分減らされていました。

そのため、被相続人が、自分の死後に配偶者が生活に困らないようにとの趣旨で生前贈与をしても、原則として配偶者が受け取る財産の総額は、結果的に生前贈与をしないときと変わりませんでした。
今回の改正により、自宅についての生前贈与を受けた場合には、配偶者は結果的により多くの相続財産を得て、生活を安定させることができるようになります。

改正点を踏まえて上手に相続しましょう

配偶者居住権の計算の複雑さや、不動産に担保が付いている場合の抵当権と配偶者居住権の優劣、相続人ではない親族の金銭請求額・方法など、まだまだこれから解決していかなければならない課題点はあります。

しかし、今回の法改正、特に配偶者の居住権が保護されたことにより「家を出て行ってもらって、平等に遺産を分けよう」といった主張が減ることになりそうなのは良かったと思います。

 

 

ちなみに改正法の施行時期は原則2019年7月1日施行ですが、

②自筆証書遺言の方式緩和は2019年1月13日施行

③法務局での自筆証書による遺言書の保管は2019年7月10日施行

①配偶者居住権は2020年4月1日施行

と、内容によってまちまちとなっています。

 

今回の法改正によって、これからの相続の仕方が大きく変わってくるかと思いますので私ももっと突っ込んで勉強したいと思います。

 

また、相続についてお悩みの事などございましたら、お気軽にお問い合わせください。

ご相談内容によって、弊社提携弁護士・税理士・司法書士と連携を取ってアドバイスさせていただきます。

ご相談は無料、秘密は厳守いたします。

研修会によければご参加ください

当社代表が副支部長を務めている宅地建物取引業協会台東区支部では、今回の法改正に伴い弁護士の先生を講師としてお招きして研修会を開催することとなりました。

今回は一般の方にも公開して行うこととなりましたので、ご興味のある方は是非ご参加ください。

 

【研修会概要】

日時:2019年2月13日(水)午後6時30分~

会場:台東区生涯学習センター(ミレニアムホール)台東区西浅草3-25-16

テーマ:相続に関して大きく変わった民法(配偶者居住権等の新設)

この記事を書いた人
石原 一仁 いしはら かずひと
石原 一仁
新しいもの好きで、面白いお店が出来ていないか上野・浅草周辺を日々散策しています。 フットワークを活かして、皆様のご期待に添えますよう頑張ります!不動産に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。
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