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2018年11月10日
ブログ

入居者さんに入ってもらう火災保険

昨日は大家さんのための保険について書かせていただきましたが、今回は入居者さんに入ってもらう火災保険について書きたいと思います。

大家さんの保険と入居者の保険は違う

昨日のブログでも少し触れましたが、大家さんが入っている火災保険と入居者さんに入ってもらう火災保険は別物です。

 

大家さんが入る保険は、自身が所有する「建物」を対象としているものがベースになります。建物自体で何かがあった場合にカバーするためのものです。
入居者さんは、建物は自分のものではありませんから、建物ではなく部屋の中にある「家財」が対象となる保険がベースになります。

対象物が異なりますから、それぞれ個別に加入をしなくてはなりません。

入居者さんに入ってもらわなくてはいけない保険

入居者さんに入ってもらう火災保険には3つの役割があります。

1.自身の家財の補償

2.大家さんに与えてしまった損害に対する補償

3.第三者に損害が生じたときの補償

 

 

一般的に民法では、自分の過失によって他人に損害を与えたときには、その損害を賠償しなければいけません。しかし、失火による火災被害の場合には、特別に「失火法」という法律があって、そちらの規定が採用されます。

失火法では、「普通、人に損害を与えたら賠償しなくちゃいけないけど、失火の場合だけは、ものすごい過失(重過失)でない限りは賠償しなくてもいいですよ」となっています。



では、重過失でなければ入居者は大家さんに対して損害賠償責任がないのかというと、そういうわけではありません。

賃貸借契約には「善良なる管理者の注意義務(善管注意義務)」があります。

失火しようがしまいが「借りた部屋は原状回復して返す義務」がありますから、入居者は失火法を理由に損害賠償責任を免れることはできません。

しかし、いくら賠償責任があるとはいえ、賠償するためのお金がなければやりようがありません。

そこを保険でカバーすることになります。

 

ちなみに、失火法でいう「重大な過失」とはどういうものをいうか。

過失の判断は個々の事例によって判断されますが、例えば、ガスコンロに火をかけたまま離れ油に引火して火災が発生した場合や、寝タバコによる火災、電気ストーブをつけたまま眠り布団に引火しておきた火災などは、重過失として取り扱われた事例があります。

 

火元の入居者から近隣住民への賠償責任は?

大家さんへは火災保険で補償できました。では、近隣住民へも火災保険で補償できるかというとそうではありません

上記「3.第三者に損害が生じたときの補償」は、火災による近隣住民への補償ではなく、日常生活の中で人(第三者)にケガをさせたり、物を壊したりしたときに使う保険です。
例としては、洗濯機のホースが外れて階下に漏水被害を発生させてしまったときの家財の賠償や、自転車で人にぶつかってケガをさせてしまったときの補償などです。

 

先ほども申し上げた通り、火災事故の場合の第三者に対する責任は「失火法」が適用されます。

重大な過失がない限りは、火元の入居者に損害賠償責任がないことになりますから、近隣住民に対して個人賠償責任保険は使えません。

ですので、火事自体やその後の消火活動で、両隣や上下の部屋まで被害が及んでいたとしても、火元の入居者の保険ではカバーできないことになります。


もらい火で被害を被ってしまった他の部屋の入居者は、建物自体は大家さんの保険、自分の家財は自分の保険で対応することになります。

ですので、必ず全員、保険には加入してもらいましょう!

 

当社では必ず火災保険に加入していただいています。

たまに費用を減らしたい入居者さんが保険の加入に難色を示すこともありますが、その場合は上記のような説明をして必ず加入していただいています。

 

入居者さんは自宅とは関係ないところで起こした事故が、ご加入の火災保険で補償できるかもしれません。万が一の際は、ご加入の火災保険会社に相談してみてください。

 

 

有限会社アートライフ

 

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